超グローバル化の時代は金融不安と経済格差がますます色濃くなっており、特に貿易ルール、為替動向、技術動向をめぐる意見の相違の拡大は世界経済をさらに悪化させる恐れがある。今日の情勢を踏まえた世界経済の見通しは厳しく、支配的な多国間体制は、市場を安定させ、健全な投資環境を育み、万人のために機能する金融の未来を創造するために必要なリソースを提供することにも調整を図ることにも失敗していると指摘する専門家もいる。
現在の多角的貿易体制は、政治的信頼が失われ、所得格差が拡大し、超グローバル化の勝ち組に有利であるように思われる政治路線の中でまだその目的を果たし得ているのだろうか?もしそうでないのであれば、いかにして集団的行動と責任の共有に基づく多国間貿易を再構築するのか?そしてこうした変化の中で、アジアはどのような立場を取るのであろうか?
目次
序文
Rabea Brauer(ラベア・ブラウアー)、Cristita Marie Perez(クリスティタ・ペレズ)
ドイツとアジアの経済関係
David GREGOSZ(ダーフィト・グジェゴシュ)
多角的貿易体制の活性化に向けた展望:WTO改革に関する提案
Ralph WROBEL(ラルフ・ヴローベル)
WTO紛争解決制度改革の課題
福永有夏
多国間主義の活性化:新しい世界秩序?
Saon RAY(サオン・レイ)
WTO改革における中国の役割
Matthias SCHAEFER(マティアス・シェーファー)
世界貿易の動向とインドの対応
Sharmila KANTHA(シャーミラ・カンタ)
自由貿易を追求するシンガポール
Lurong CHEN(ルロング・チェン)
台湾のWTO加盟 – 戦略、利益、展望
Kristy HSU(徐遵慈)
ベトナムの国際貿易投資:チャンスと課題
PHAM The Anh(ファム・テー・アン)
経済と規制の不確実性の渦中における地域の成長とイノベーションの促進:
アジアの情報通信技術(ICT)セクターの事例研究
Juan Sebastian CORTES-SANCHEZ(フアン・セバスティアン・コルテス=サンチェス)