月刊丸/アフロ
2022年2月24日に勃発したロシアによるウクライナ侵略は、戦後の国際秩序を 破壊する暴挙である。戦後の世界秩序は、第二次世界大戦の戦勝国である国際 連合(国連)を中心とする国際協調システムと国連安全保障常任理事国5大国(Permanent 5: P-5)による核不拡散体制を骨格として成り立ってきた。核不拡散体制は、米露英仏中の核保有国にいわば 核に関する「大人の管理」を委ね、他の国には核保有を認めない国際取り決めだ。しかし、その「大人」として核の厳格管理を期待されてきたロシアが、管理どころか非核保有国ウクライナに対して核恫 喝を行ったのである。これは、最貧国北朝鮮が核保有をちらつかせるのとはわけが違う。かくしてプーチン大統領は、他 国に侵略して国連憲章を踏みにじり、核 恫喝によって核不拡散体制を根底から覆したのである。
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